ここ半年の話

仕事中にイライラが止まらなくなったり、夜眠れなくなったり、仕事中や退勤直後に猛烈な眠気に襲われて気絶したりしたので心療内科に行ったらうつ病と言われました。半年前のことです。

でも、本当の地獄はそれから少し遅れてやってきました。

みなさんメリークリスマス。いかがお過ごしですか? もう仕事を納めた人もいるのかな?

僕はいま北海道の実家にいます。2, 3か月前くらいからいます。仕事は半年前から休んでます。ごめんなさい。

半年前にさかのぼり、うつ発症後の僕はすぐに休職を申し出ました。2か月くらい休めば治るだろうと、そんな気持ちでいました。ところが病状は悪化する一方でした。

休み始めて1か月頃から、テレビを見ることが難しくなりました。ただ座っているだけなのに脳みそをぐちゃぐちゃにかき回されるような感覚に襲われました。

本も読めなくなりました。ゲームもがんばっても30分が限界でした。好きだったアニメを無理やり見ても何も頭に入ってきません。布団で横になっても頭の中を何百匹もの虫が走り回っているような感覚に襲われ暴れていました。どんな薬を飲んでもそこから逃れることはできませんでした。

睡眠薬で無理やり眠り、眠れない時間は地獄。そんな毎日でした。

そんな生活が1か月続きました。やばいやばいやばいやばいやばい、と独り言を繰り返していました。じっとしていると狂いそうになるので近所を徘徊して気を紛らわせていました。相当怪しかったことでしょう。

なんで俺がこんな目に、と毎分毎秒思い、口に出していました。でも涙は出ませんでした。うつの人は感情がなくなるそうです。楽しいも美味しいも切ないも悲しいもなくなって、ただただ苦しいだけが頭を支配しました。脳がそういう形に機能を変えてしまいました。

このままでは死んでしまう、いっそ死のうか。そう思っていた時に実家の母から「今年は帰省するの?」とLINEが来ました。心配をかけまいと病気のことは黙っていたのですが、そのときはじめて電話をかけ現状を話しました。一回帰ってきなさい、そう言われ相当悩みました。正直無事に帰れる気がしなかったからです。

でも気づけば飛行機の予約をし、最低限の荷物をまとめ空港に向かっていました。移動中はずっとイヤホンで好きだったはずの音楽を聞いていました。雑音にしか聞こえませんでした。ボロボロのまま、僕は3年ぶりの実家に帰ってきました。

実家に帰ってからも鬱々とした気持ちはずっと続きました。「うつ病 つらい」とか一日中検索して味方を探したり動画を見たりしてました。

でも、頭の中を走る虫の数は減ったように感じました。少し安心したのか、一日の大半を眠って過ごせるようになりました。

起きている間は好きなことをしようと思いました。でも、好きなことがわかりません。テレビを見てもアニメを見てもゲーム実況を見ても音楽を聴いても楽しいという感情がわきません。ご飯を食べると味はするけど美味しいと脳が認識してくれません。

少しずつ良くはなっていたのかもしれません。でも一生このままなのかな、感情が動かないまま生命を維持する作業を続けなきゃダメなのかな、と絶望しました。

転機は12月でした。クリニックで試してみたい薬がある、とのことで薬を増やしました。その薬を飲み始めてから笑っちゃうくらい劇的に調子が回復しました。あるいはたまたま治るべき瞬間にその薬が処方されたのかもしれません。ここから少しずつ人間に戻っていく感覚が生まれました。

だんだん「楽しい」がわかるようになってきました。前抱いていた「楽しい」とは少し形の違う、いびつな感情だけどたしかに楽しいや美味しいがわかるようになりました。

これがこの半年の顛末です。もう少し休んだら関東に戻り復職しようかと思っています。

いまは溜まっていたソシャゲのストーリーを進めて時間を潰しています。マスターであり先生でありプロデューサーであり茅森月歌である生活を送っています。多すぎです。アホです。ブルーアーカイブのエデン条約編は最高でした。

薬は飲み続けてるし、鬱の再発率ってアホみたいに高いらしいんで戻ってからが本番みたいなところはあるけど、一生抜け出せないと思っていた地獄は気づけばいったん抜けていました。

少し漫画が読めるようになった時期に、この漫画を読みました。一応BLらしいけど直接的な描写はないです。

12話で鬱について描写したこんなセリフがありました。

大事な人が死んだわけじゃないのに「大事な人が死んだ時くらいの悲しみ」だけが突然脳にふりかかってくる

売れっ子漫画家×うつ病漫画家 第12話「幼生・トランスフォーム」

…これは経験した人にしかわからない感覚だなぁと思いながら読んでいました。全体通してこの漫画は鬱の解像度がめちゃくちゃ高いと感じます。だんだん世界に存在していいと思えなくなってくるんですよね。恥ずかしながら、無償の愛を捧げてもらえる矢晴がうらやましいと思って読んでいました。惨めでも弱者でもどんどん醜くなっても、すがれる存在があればどれだけ楽になれるだろうと思っていました。今はどうだろう、よくわかりません。まぁ僕は漫画が描けないどころか何も生み出せていないのでそんなことを望むのは身に余る欲望だったかと思いますが。

そういう意味では帰れる実家があって本当によかった…。

年内に吐き出しておきたかったので記事として書きました。書けるまで回復してよかったです。最後まで読んでくれてありがとうございました

雑記

Posted by のふお